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広島大学薬学部長よりご挨拶

地域を支える薬剤師として活躍して欲しい

 薬剤師の地域偏在が招く中山間地域医療の崩壊は解決すべき喫緊の課題であり、広島県や島根県でも中山間地域における薬剤師不足から持続的な医療提供が困難になっています。その原因として、地域へ薬剤師を配置するシステムの欠如、地域医療に対する中高生・大学生の意識の不足が挙げられます。
 これらを解決するため、広島大学薬学部では、文部科学省の「地域の医療ニーズに対応した先進的な薬学教育に係る取組支援事業」ならびに「高度医療人材養成拠点形成事業(医療環境の変化等に対応した質の高い薬剤師の養成)」により、島根大学、広島県病院薬剤師会、広島県薬剤師会、広島県薬務課と協働しながら、
1) 地域医療連携協働体である「地域医療薬学コンソーシアム」と中山間地域の薬剤師を確保する「地域薬剤師配置システム」の構築
2) 医療機関と学生・薬剤師を結ぶ、全国初の「ヒロダイマッチングシステム」の開発
3) 中学生・高校生から大学生までをシームレスに教育し、地域医療を自らの課題として考える力を培い、UIターンを促進する「職域と県を超えた連携教育」
に取り組んでいます。
 これらの取り組みのうち「ヒロダイマッチングシステム」は、医学には存在する大学・学生と医療機関を繋ぐシステムを、薬学に構築したものです。本システムに登録した薬学部生や薬剤師は、様々な医療機関や「薬」に関係する施設(行政・関連大学・医薬品卸業者・製薬会社等)の情報を得られるとともに、興味のある医療機関等にアクションをすることで接点を持つことができる仕組みになっています。また、「地域医療セミナー」、中山間地域・島根県での「臨床実習」、県薬務課等での「学生インターンシップ」と「教職員人材交流」における情報の提供と収集、マッチングにも活用いたします。
 本システムにより、大学・学生と医療機関の乖離が解消し、地域医療施設、学部生、薬剤師の各々のニーズに合わせたマッチングが可能になることを願っています。
 最後に、本システムにご尽力、ご援助下さいました関係者の皆様に深く感謝申し上げます。また、本システムをいっそう充実させるべく、引き続き、ご意見やご助言賜りますようよろしくお願いいたします。

令和6年4月
広島大学薬学部   
薬学部長 黒田 照夫